北の大地とそれから私

流罪になりました。

ダイアログ

やぁ、久しぶり。
元気かって?まぁ何とかやっているよ。
この間はどこまで話したんだっけか。ええと、そうだ気持ちの悪い妄言を吐けってところまでだっけか。

それ自体が妄言だって?言うねェ、まぁ間違ってないんだけどさ。
だって、人に何かを望むなら、まずは自分から示さなきゃだろう?
だから。まずは僕から示した、それだけ。
ええ、そう。分かってもらえてよかった。

でもどうしてだって?
妄言は大抵気の迷いから来ることくらいわかってるよ。
だけど、言ってる当人はその時はいたって真面目な顔してるだろ?
そうそう、それが気の迷いってやつなんだけどさ。
僕はその気狂いを、イカれた夢物語を本気にする奴らが見たいんだ。

たぶん、それは都合のいい話ばかりなんだ。段取りなんて考えてない。
きっと地獄の中にあることばかりじゃないかな。
でも、その中で藻掻いている人たちってのはさぞ…
うーん、なんていえばいいのかな。輝いているってのは少し違う気がするし。
ええと、そうだなぁ…
まぁ、そのうち見合った言葉を見つけるから、その時に発表させてよ。

ところで、君は最近どうなんだい?
ぼちぼち?普通に生きているんだね。
そっかそっか、少し残念だけど仕方ないよね。
真っ当に生きようとしたら、妄言なんて言ってられないよね。
うん、仕方ないよ。

でも、欲を言えば君にも昔のように狂った言動をとり続けていてほしいかな。
妄言を妄信して実行してたあの時みたいに。妄言実行、なんてね。
えー、あれは黒歴史だって?確かにそうかもね。
でも楽しかったじゃないか。
何も見えてなかったけど、見えてないからこそ楽しかったじゃないか。
だよね、楽しかった。

確かに、僕も少しは大人になったさ。
現実的な思考だって出来るようになった。
でも、存外妄言を綴るのは今も楽しかったんだ。
あぁ、自分はこんなこと思ってたんだって、言ってみて初めて分かることも多いし。
それを実行しなきゃいけない訳じゃないんだからさ。
いや、藻掻けるだけ藻掻いたほうがもっと面白いと思うけどね。

でだ。何が言いたいのかっていうとね。
君も妄言を垂れ流せってことが言いたかったんだ。
社会だとか学校だとか、そういうのはいったん忘れてみてもいいじゃないか。
考えるだけならただなんだからさ。
実行しようってなら手放しに応援するさ。
えぇ?面白がってるだけだろって。はははそんなまさか。

だからさ、もし考えがまとまったら、僕にも教えてくれよ。君の地獄ってやつを。
いいじゃないか、君と僕の仲なんだから。
僕はもっと気持ちの悪いものを既に散々見せてきただろう?
だろ?だから安心しなって。

ええと、そろそろ時間みたいだ。
ちょっと疲れたし、あんまり長く喋っても冗長になるしさ。
うん、じゃあそろそろ。
そのうちまた。