北の大地とそれから私

流罪になりました。

サウナ、夏の終わり

実家近くのスパ銭がサウナブームに乗じてとんでもない一手を打った。ロウリュウをしたうえでサウナストーン奥から爆風を送ってやろうということらしい。

仕組みだけ聞けば熱波師が行うロウリュウと大差ないが、実際に入ってみるとこの極端さがひしひしと分かる。熱波に包まれて発汗…とかそういった次元じゃない。火傷しそうな熱風をひたすらに当てられる。おそらくこの設備を整えたオーナーはサウナエアプだ。ニコーリフレでエレガントさを学べ。

 

火傷寸前の体で震えながら水風呂に入る、人が寿司詰めの屋外で何とか場所を確保し見、目を閉じる。意外なことに、案外キマる。頭の中を勢いよく血流が巡り、三半規管がイカれ始める。私は前転しながら後転しています。音には確かに輪郭があります。心理の扉はここです…嗚呼、至極。

 

物事には終わりがあるもので、この合法トリップもすぐに終わりを迎え現実へと引き戻される。過程、今年の出来事がフラッシュバックする。

 

「車、藪に突っ込んだな…」「どうして社会に出た人間は急に音信不通になった昔の知り合いに会いたがるのだろう…」「アジ、いっぱい釣れたな…」

 

「今年も夏が終わるな…」

 

ふと夏の終わりに納得する。

数年前までは夏休みの終わりが明確にあって、いやでも意識していた夏の終わりだったが、今や研究だけなのでそんなものはない。言ってしまえば去年の夏からずっと夏休みだし、ある意味ずっと休みがなかった。

ただ、今は明確に終わりを感じている。合法トリップとともに、ことしの夏はしっかりと終わった。一緒に来ていた友人にさっき夏が終わったと報告すると「そんなものはお前が帰ってくる前に終わっている」とあきれられた。頭の中一生夏休みのお前だけには言われたくない。早く内定を出せ。

 

翌日には起床(15時)とともに荷造りをし実家を出た。

本来もう少し滞在するつもりだったが、なんか帰ってもいい気がしたので帰ることにした。相変わらず思い付きで行動するときの動作だけは早い。

 

道中、退社中の友人を巻き取って羽田に行ったり、サンダルで10℃を割る札幌の地を踏んだりといろいろあったがきちんと帰ってきた。

 

凄い勢いですべてを進めた。

なんだか夏だけでなくすべてをやり切った感じがする。飛行機の中ではスタッフロールが流れていたんじゃないだろうか。

 

次に会うのはいつだろうか。いい加減札幌に来てもいい奴らも多いんじゃなかろうか?