北の大地とそれから私

流罪になりました。

野宿のススメ

以下の文章は決して、犯罪行為を推奨するものではない。よく考えて行動して頂きたい。

はじめに

私は一介のライダーであり、また一介の苦学生でもある。長期休暇中、連泊でひたすらバイクを走らせるということも都度あるが、ただでさえ金のかかるバイクを運用しながらの宿泊は非常に限られたものになる。ぱっと思いつくのは以下のものだ。

  • キャンプ
  • ゲスト(ライダー)ハウス
  • ネットカフェ
  • 安い宿
  • 野宿

(車を持っている人ならば車中泊も選択肢に入るが、今回はライダーである私が語るため選択肢から外した。)

相場は上から、¥800、1500、2000、3000、0と言ったところか。

普通の人なら安い宿、ベテラン(限界)旅行者となるにつれて上の項目に近づく傾向があるが、野宿を選択する人はなかなかいない。

なので今回は諸君に野宿のおすすめしたい。

 

野宿とは

ここで言う野宿とは"本来宿泊の想定されていない空間"にて"無賃"で行う宿泊を示す。

一般に野宿と言えばダンボールベッドにブルーシートが想像されがちだが、テントを張る行為もタダで勝手にやっていれば私は野宿だと思っている。

また、宿泊地も大自然の中に限らず、駐車場、プレハブ小屋のバス停、道の駅のベンチなんかもありうる。

いわば短期的なスクウォットに近く、法的にはとても鮮やかな灰色をしていると言えよう。極力目立たず、他人に迷惑をかけないようにすることが大切である。

 

野宿の利点

長期の限界旅行をしているとこう感じることは無いだろうか、「チェックインにはまだ早すぎる、朝はもっとゆっくりとしたい」、と。快活CLUBのナイトパックなどはとても顕著で23時入り7時出は連日行うと非常に堪える。

本州はどこにでも快活CLUBがあり、それに浮かれて連泊していたこともあるが3日目くらいからは「あ〜、野宿してぇ」とばかり考えていた。

 

つまるところ、野宿の最大の利点は、時間的制約がないことである。場所によっては人がいない時間だけ、と制約を受けることもあるが、それでも快活CLUBのナイトパックより圧倒的に快活だ。

これは、社会に適合できない限界旅行者諸君(及び私)のように、予定を組めない人にはとてもありがたい。泊まりたくなったら適当に場所を見繕い、起きたらコーヒーでも飲んでぬくぬくし活動したくなったら活動すればいい。

野宿と"ていねいなくらし"は紙一重なのかとすら思えてくる。

 

また、当たり前の話ではあるが金銭的負担も少ない。せいぜい、拠点に着く前に済ませる銭湯代程度だろう。旅と温泉は切り離せず、毎日のように温泉を探し回るのでどうせかかる費用だ。結局はタダみたいなものである。

タダより高いものは無いと言った先人はきっと算数ができないのだ、タダはタダだ。ホテルよりも、ライハよりも、ネカフェよりも、野宿は安い。0円だ。何倍しようと他のものより安いということが分からないと言うならきっとそいつは知恵遅れに違いない。

 

まとめれば、野宿は計画性も金もない限界旅行者に最も向いた宿泊方法なのである。

 

野宿地のススメ

先述したように野宿地は自然環境の中に限らない。私は北海道に在住するためむしろ山奥などは避けている。いくら野宿が素晴らしかろうと、ヒグマという暴力の前では無力なのだ。

ではどこで野宿するのか、端的なポイントを以下に記す。

  1. 人目に付きづらい場所
    先述の通り、人工物を間借りする際は他人に迷惑をかけないようにしなければならない。野宿という行為が行われていること自体に、拒絶反応を示す人も多くないため、必然的に目立たない場所に限られる。
  2. 静かな場所
    これは人にもよるだろうが、騒がしい空間で安眠を出来る人は多くないかと思う。夜間の幹線道路沿いなどは、大型トラックが往来し存外に五月蠅い。また、振動やライトの明かりも睡眠の妨げになる。

 

これらの点は車中泊地の選別にも同様に重視されているため、車中泊の多い空間での野宿がお勧めである。同類の人気もある程度あるため防犯上もいい。また、車中泊は野宿よりも普及しているため、車中泊マップたる便利なサイトもある。

syachuhaku.fxtec.info

 

始めのうちは車中泊マップを参考に野宿値を決めるといいだろう。
ただ、車中泊に適した場所が野宿に必ずしも優れているわけではないので注意は必要である。いざ現地に着くと、車中泊は多いがそれ以上に周りの人の往来があった(道の駅に多い)、野宿行為が明確に禁止されていた、駐車場に警備員が配備されていた(主に商業施設)などということがある。車中泊マップから候補に挙がった選択肢には必ず、航空写真やストリートビューなどでクロスチェックをかけるようにしよう。

車中泊地での野宿に慣れてくると、だんだんと勘が養われていき車中泊には向いていなくとも野宿が可能な場所も見えてくる。いきなり、破天荒な野宿をして嫌な目にあうくらいなら、ハードルの低い野宿からこなしていくとよい。

 

快適な野宿を

結局のところ野宿とは、最低限度の非文化的なテント泊である。キャンプギアや登山ギアをそろえてしまえば快眠性は高くつく。もしキャンプに興味があるなら映える照明や机なんかよりも、コンパクトで性能のいい寝具、テントを買った方はいい。そうすれば同時に野宿への可能性も開ける。なんなら私は野宿のことをキャンプと称することも多い。テントで寝ればその心はキャンプなのだ。

 

おわりに

以上、つらつらと野宿について述べてみたがいかがだろう、野宿への興味が出てきたのではないだろうか?野宿は人類最古の宿泊方法であり、また現代でもセーフティーネットとして存在し続けている。野宿はだれしもに寛容なのだ。気になったらまずは飛び込んでみるといい、考えるのはそれからだ。